研ぎ直し.修理日誌


このページは日々の中でお客様に頼まれた修理等を載せていきます。皆様の参考になれば幸いです。

2008.5.22ステーキハウスのオーナーから引き出しに包丁をしまっておくのに何か簡単なケースはないかとの事で考えてみました。

2008.4.28お客様から以前私の店でお願いしました剣ナタの鞘の修理のお電話を頂きました。最初は新しく製作して
      欲しいとの事でしたが、状態がわからないので送って頂きました。

オリジナルは山桜の皮を張ってありましたが長年の使用で剥がれてお客様が他の物を巻いてありました。
お客様にお電話したところ、巻いていないところを皮でカバーしてくれればOKとの事でした。最初は皮の冶具を
長くして造ることも考えましたが裏側はいいのですが表側をカバーすることが出来ないので真ん中の写真の様に
カバーするものを製作しました。皮を水で濡らして引っ張ってからぎりぎりの所でホック止めにしてあります。
下のカバーはベルトを3mmの皮で製作しましたので外せませんので外した写真が無いことをお許し下さい。
鞘の裏側を全て皮でカバーする為、通常の冶具よりも幅を広く造ってあります。ベースは3mmの皮でベルトとホック止めの
皮は2,5mmで造りました。真ん中の写真は冶具をセットするために裏側に段差が出来てしまうのでホック止めのカバーの
上側に3mmの皮を追加しました。
ヒルトにガタが出ていて回転する状態でしたのでレッドのファイバースペーサーを
ブレードとハンドルの間に入れましたがこれでもまだガタがありましたので
写真のスペーサーの右側に竹の盛り箸の先を削って叩き込みました。

2007.1.28お客様から牛刀のハンドル修理を頼まれました。以前にも載せてありますがその時とやり方が
      少し違いますので説明致します。

写真左から
1 元の状態を撮り忘れてしまったので左のハンドルを外した牛刀と比較して説明します。この牛刀は上の穴の
  下はほとんどナイフで言うタングの部分がありませんでした。左の牛刀の上の穴の場所と比較して見て下さい。
  そこでツバの部分を鉄ノコで切りツバの分だけハンドルが短くなってしまうので刃を削りました。超硬ドリルで
  ハンドルに合わせて穴を開けた状態です。。
2 タングがほとんどありませんのでその代わりにファイバースペーサーを使用します。色がやや濃いものは明るい
  物より薄いものです。
3 エポキシを着けてかしめた状態です。カシメが1ヶ所では刃が前後してしまうので既に3mmの超硬ドリルで穴を
  開けて3mmのNSのピンをいれてあります。ハンドルの上端に近い位置なのでかしめるとハンドルが割れて
  しまうので差すだけにしてあります。万力にはさんで一晩おきます。ハンドルの背中に差してあるスペーサーは
  穴が空いていたので使用しています。又 刃元に差してあるスペーサーは万力で挟んでも左右のガタが
  あるので刃とハンドルの曲がりを修正しながら薄いスペーサーを差しました。  
写真左から
1 下のピンはきかなかったので上にもう1ヶ所ピンを入れました。
2 削って仕上げた状態
3 ハンドルを背中から見た写真 スペ^ーサーの使い方が良くわかると思います。

2007.1.9 お客様から庖丁と切り出しのKYDEXシースをたのまれました。

大まかな大きさにKYDEXを切るのにアクリルカッターを使っています。普通のカッターナイフを使う方もいるよう
です。アクリルカッターですと1.5mm厚のKYDEXですと2〜3回切って写真のように角を使って折り曲げると
簡単に切れます。
写真左から
1 庖丁は薄いのでフォームをした時にあまりキレイに形が出ないので片側のみフォームします。
2 庖丁だけでは薄いのでボール紙を同じ大きさに切ります。
3 ボール紙と庖丁を両面テープで貼り、それを厚い板に貼りつけます。
写真左から
1 オーブントースターでKYDEXを温めます。この時必ず軍手を着用して下さい。
2 KYDEXが柔らかくなったら素早く取りだしフォームします。
3 フォームしたKYDEX
写真左から
1 仮組みをしているところです。どこにカシメを打てばいいかチェックします。
2 接着しているところ 時々KYDEXシースを造るので幅広バイスを使っていますがクリップ等を利用して下さい。
3 要所をかしめて外形をベルトサンダーで整え、最後にカッターナイフで側面を滑らすように削ります。
写真左から
1 佐治さんの切り出しです。形がナイフと違うのでどうしようかと思いましたが、フォームをしてから考えることに
  しました。庖丁の時よりも擦れるのがイヤなのでボール紙の厚さを増してあります。
2 試してみると下からうまく抜き差し出来るので硬さを調節しているところです。
3 フォームしていないKYDEXは3mmを使用しました。1.5mmを両側使用するよりも質感が違います。

2006.12.22.店主の研ぎに対する考え
お客様がお持ちになる庖丁を拝見していると ほとんどが刃の研ぎ角が立ち過ぎです。
よく研ぎ方の説明に十円玉2〜3枚横に入るぐらいの角度とありますが、私の考えでは立ち過ぎです。
十円玉1枚が横に入る位の角度と思って下さい。
研ぎで大事なのは右手ではなく左手です。時々刃の真中辺りがへこんでしまって先と刃元が残った庖丁を
お持ちになりますが、これは左手の場所がずっと同じ場所にあるからです。刃先を研ぐ時は左手を刃先に
のせて下さい。
どこまで研げば良いかというと、片側から研いで反対側に引っかかりが出るまでです。その引っかかりをメクレ
と呼びます。全体にメクレが出たら両刃の場合 反対側を同じ回数 片刃の場合 裏側をベッタリで2〜3回研ぎ
仕上げ砥がなければ 蒲鉾の板の縦の方向で2〜3回切ってメクレをすいこませて下さい。
両刃の庖丁は両側同じ回数ですが片刃の庖丁の場合〔出刃庖丁 柳刃庖丁等〕荒砥 中砥では表が
95% 裏〔平らに見える方〕が5% 仕上げ砥では表が5% 裏が95%になります。
表側を仕上げ砥で光らせてある庖丁がありますがあまり切れ味には関係しません。
よくラシャ鋏を研ぎに持って来る方の中に鋏の裏を研いであるのが見うけられます。
鋏の裏側はスキツキリですので絶対に研がないで下さい。鋏は出来れば専門店に研ぎを依頼してください。
研いで修理不可能になる場合が多いです。
ここまで研ぎについて私の考えを書きましたが、あくまで私の考えですので間違っている所が
あるかもしれません。その場合お許し下さい。

2006.12.16.
今回は庖丁の柄のすげ方で前後の曲がりをREPORTします。
写真左から 中子〔コミ〕が庖丁の背中側に曲がっているのがわかりますか。この状態で柄をすげると2番目の
写真のように刃が背中側に反ってしまいます。そこで3番目のように刃側に中子を曲げてすげると4番目のように
修正できます。中子の曲げ方は刃を危なくないようにタオル等で厚めに包み刃を左手で持ってアンビルや
木の上でカナヅチでたたいて曲げます。普通はやや刃側に曲がっている方がまっすぐ入るようです。
注意 オールステンレスの板材の庖丁の場合中子を叩いて修正すると折れる場合があります。

上段
左 右側が普通の菜切り庖丁の柄です。左側は穴を小さくして造ってもらっいています。これはその上の写真の
   中子のようににサビをとってみると細くなっていたり、元々中子の細いもの用です。
右 出刃の中子が薄かったので普通の菜きり庖丁の柄にすげる為、中子を焼いているところ
下段
左 左は柳刃を新しい柄にすげたところですが柄との間に隙間があるのでスペーサーを入れてその後切ります。
   右は上で焼いた出刃をすげたところです。
右 刃の抜き方ですがカナヅチの柄などで写真のようにしてカナヅチの柄の先をキヅチで叩いて抜きます。
私の店では桜柄を使っているのでホームセンターで売っている白い木の柄に比べて硬いので焼くのをを
強くしていますが、白い柄の場合中子の先がチョット赤くなる位でよいかもしれません。
近くに刃物屋さんがあればすげてもらった方が無難です。

修正前 修正後
2006.11.30.
菜切り庖丁の柄をすげましたら刃と柄が曲がっていましたのでREPORTします。一番右の写真で皮が
貼ってあるのがわかりますか。使いこんでいるので汚れていますが庖丁にキズをつけないようにしています。
この柄は上の黒い部分がプラスチックですので柄をすげてから修正しても大丈夫ですがこの部分が水牛の
ものはすげてから修正しますと水牛の部分にクラックが入ることがありますので御注意下さい。
水牛柄の場合途中まですげて曲がりを見ながら何回か抜いてすげます。
2006.11.30.
フォームだけして造っていなかった
KYDEXがありましたので新しい造り方を
説明します。
左の写真は1.5mm厚で造ったもので
古いテクニックです。この場合上下1回で
フォームしていますのでカシメの位置で
抜く硬さを調節しています。
写真左から フォームの時には熱いですから必ず軍手を着用して下さい。
1 3mm厚のKYDEXを刃とハンドルの高さの差に合わせてヒートガンで曲げたい部分だけを
  熱してフォームします。この場合は高さが比較的低いのでG−1を2枚用いましたが普通の
  ナイフの場合マイカルタ位の厚さになります。
2 フォームして出来あがったもの
3 1.5mm厚のKYDEXで表側をフォームする場合このような木の板を用意すると便利です。
  ハンドルの大きさに合わせて切れこみを造ります。
写真左から
12切りだしをセツトした状態ですが、この時刃の反対側にボール紙を両面テープで貼り浮かせるのが
  コツです。前はそのままフォームしていましたがカシメの位置でしか調節できませんでした。
  又 抜き差しするうちにブレードにキズがつきます。ボール紙で浮かせるとブレードがKYDEXと
  こすれることが少なくなります。このフォームの時にはオーブントースターで温めて万力で挟んで
  いますがホットプレートでやっている人もいます。
3 下側はこれでOKですが上側はこの後2の状態でスポンジの代わりにぬれ雑巾で熱が伝わらないように
  してヒートガンで熱しハンドル部分のフォームを軍手をして指で行います。時間がある時に実際に
  組み立てながらREPORTするつもりですがくれぐれもバイス等を使って仮組みしてから接着して
  ください。
  庖丁やペティナイフのケースを造る場合、ボール紙を2枚重ねて刃に貼りスカスカの状態に造って
  しまってから刃の一番下の部分以外をぬれ雑巾などで冷やしておいてヒートガンで下の部分のみを
  熱し指で押して抜き差しの硬さを調節する方法もあります。失敗しても何べんでもやり直せます。
  ナイフのシースを造る場合ハンドル部分までかかるシースですと直接熱したKYDEXに当たる部分が
  変色する事があります。ナイフの木型を造ってやる方もいるほどですので御注意下さい。
私は仮組みの時や接着の時に幅広のバイスグリップを使っています。
KYDEXにキズがつかないよう皮を両面テープで貼って使用しています。
何種類か大きさの違うスポンジを用意
すると便利です。牛刀用に30cmを
越えるものも用意してあります
2006.11.27.
昨日の夕方一人のお客様がいらっしゃって5本庖丁をお持ちになりました。駄目なものは処分していいものを
修理して欲しいとの事でした。拝見すると2本はステンレスの板材のあまり材料の良くないものでしたので
刃物回収箱に入れて3本を修理することになりました。上の写真は修理前 修理後のものですが研ぎなおして
柄を交換すると全然違うことがお分かり頂けますか。右端の庖丁は硬いもの用に刃角を立てて研いであります。
この頃 カボチャや半解凍のものを切って刃を欠いてくる方が見うけられますので、何本か庖丁をお持ちの方には
硬いもの用と普通に使うものに分けることをお勧めしています。又 菜切り庖丁の柄はもちろん交換できますが
このお客様は他の2本も汚れているので交換したいとおっしゃったので、ベルトサンダーで汚れている柄の表面を
削りました。私の店ではベルトサンダーを持っていますのでこの修理が出来ますが持っていないお店では難しいと
思います。
2006.11.23.
お客様から鋼の牛刀のハンドル修理依頼がありました。庖丁・鋏の研ぎ修理のページにUPしてありますがあまり
途中のやり方をしめしていませんのでREPORTします。
この庖丁の場合は片側のハンドルが既にとれていましたから比較的外すのが楽でしたが、両側がついている
場合3mmのキリから序所に太くしてボール盤を使って外しています。これはハンドルをそのまま使用する為です。
又 この修理をする場合お客様に外すまで待って頂いています。外してサビをとってみると中が折れている場合が
あるからです。
上の写真左から
1 サビをとった状態 
2 サビをとるとナイフでいうタングが薄くなっていますのでスペーサーを入れて厚くしないとツバの部分の高さが
  あいません。そのスペーサーを切りだしたもの
3 この庖丁の場合タングの中ほどがツバのすぐ下の部分に比べて薄かったので部分的にスペーサーを入れることに
  しました。
下の写真左から
1 最初に軽くかしめて万力ではさみテンションを加えてから本格的にかしめます。私の場合カシメの頭がハンドル
   の中にややもぐるくらいにしてありますのでアンビルの上にカシメの頭より一回り小さいナットをのせてかしめて
  います。
23ナイフと違って庖丁は薄いのでハンドルと刃の部分に曲がりが生じてしまいます。そこでハンドルとハンドルの
  上端の間に厚さの違うスペーサーを挟んでまっすぐにしています。時々やっているのでカウンター上に貼りついた
  スペーサーが見えます。これで1日おいてベルトサンダーでハンドルをで削って完成です。
2006.11.24.
上の修理の続き 写真左から
1 1日置いた状態です。
2 今の時期ですと1日置いても完全に硬化しませんので無駄なスペーサーを切ってガスレンジの上で燃やさない
  ようにあぶります。
3 ベルトサンダーを使って削って完成です。
2006.11.21.
このナイフをお買い上げ頂いたお客様から
通称シッポのご依頼を受けました。
この仕事は私ではないのですが参考にして
下さい。シッポはハンドルの一部になるので
ある程度の強度が必要です。あまりピッチを
細かくすると強度が足りなくなります。
ソングホールに入るなるべく幅の広くて厚みの
ある皮を使うのがコツです。
ナイフの雰囲気に合わせて皮の色や材質を
試して下さい。レザーショップで端皮を安く買って
ストックしておくとよいです。
2006.11.20
ドイツ人のお客様が尋ねてきてシースを腰につるせなくなったので何とかならないかとの依頼がありました。
拝見すると写真のように細い皮ひもが切れていました。しばらく考えた後、シースに縫いこむこともかしめる
ことも難しいので写真のような治具でどうかとスケッチしたところOKがでました。実際に製作して1回失敗
しています。それはヒモで外径に合わせて造ってみたところきつすぎてナイフが抜けなくなってしまいました。
カシメをどうにかとり、少し大きめにもう一度つくりました。それでも抜きにくいので皮に水をつけてカナズチの
柄で伸ばして調節をしました。ウェットフォームの要領でやりますと皮はかなり伸びますので試してみて下さい。
他の例として剪定鋏や大久保鋏の皮ケースにも応用できます。お客様が鋏とケースを一緒に買ってくださった
ときにやっていますが、ケースの表側に水を手でこすりつけて〔あまりビショビショにする必要はありません〕
鋏を中に押し込み庖丁の柄のようなもので鋏のまわりをフォームして鋏を抜き半日くらい陰干しします。
そうすると最初から鋏の形がついて最初から使いやすくなります。
このナイフの研ぎなおしも頼まれました。ポイントが無くなっていてかなりエッジの部分が丸くなっていたので
回転式の水研器で荒研ぎ 中研ぎをして最後は仕上げ砥石を手でかけました。一般的にナイフはステンレス
が多いので一番大事なことは合成の細かい仕上げ砥石でメクレをとりながらエッジの部分を光らせることです
〔あくまで私の考えですので間違っているかもしれません〕
又 ナイフの研ぎ方ですがよく雑誌には横研ぎの一方通行の研ぎ方が載っていますが私は庖丁屋ですので
研ぎ台を使って庖丁のように前後させて研ぎます。この研ぎ方でも右手をしっかり固定して角度を保てばエッジ
のラインは保てます。コツは刃先の部分にかかるときに右手を軽く上げることです。安い果物ナイフなどで練習
してからトライして下さい。
これはナタ用のベルトに付けるための為の皮治具です。剣ナタを買って下さった方にサービスでつけています。
穴が空いていないのは一丁一丁に合わせているからで何もついていない皮はハンドル固定の為のホックを
つけています。これも造ってくれる所が見つからないので自分で造っています。
ある日お年を召した御婦人から両刃の良く
切れる軽めのナタを頼まれました。一丁では
悪いので二丁佐治さんに150mmの大きさで
頼んだのですが出来合いのケースが無いとの
事で私が造ったものです。お客様は腰につるす
必要が無いとのことで写真のようには造りませ
んでしたが、KYDEXは造り方を覚えるとイロイロ
応用できます。過去には沼津から東京のお料理
教室に週に何回か通っている方に頼まれて庖丁
やミートフォークのケースを10点以上造った事も
あります。私のKYDEXの先生はMATRIX AIDA
の安永さんです。